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「松坂桃李の人間性がこの映画を助けてくれた」三浦大輔監督が語る“松坂桃李論”

「松坂桃李の人間性がこの映画を助けてくれた」三浦大輔監督が語る“松坂桃李論”

2015年に舞台として上演された、人気小説家・石田衣良の原作小説の映画化『娼年』。人気俳優・松坂桃李が舞台版に引き続き、ボーイズクラブに勤務して女性の欲望を満たしていく青年・リョウに扮している。今回は、舞台の演出も務めた三浦大輔監督に、本作における松坂桃李の魅力について話を訊いた。


松坂が演じたリョウは、大学生でありながら学校には行かず、無気力な毎日を送っている。しかし、ボーイズクラブを営むオーナーと出会ったことで、女性たちの秘めた欲望、そのスタイルの違いに気付き、仕事にやりがいを持っていく。

三浦監督は、「自分には足りない部分を、松坂くんが補ってくれました」と松坂の貢献を語る。

「松坂くん自身の人間性がこの映画には出ていると思います。役を演じるときの真摯な姿勢、作品に対する熱量で(共演の)女優さんたちを引っぱってくれました。彼は、女性に対してとても紳士的。鑑賞者の女性のみなさんも含めて、そんな松坂くんを前にすると、“受け入れられる感覚”を抱くと思うんです。そういった点は、監督としての演出では行き届かない。松坂くんの人間性が、この映画を大いに助けてくれました」

大胆な描写・表現も多いなか、いつもスーツをきっちりと綺麗に着用している清潔感、お客となる女性たちへの敬意、ミステリアスかつ脆く、それでいて放っておけない表情など、リョウ=松坂桃李の佇まいがこの物語に品性を持たせている。

「演じる人間が普段からそのように真摯に女性と向き合っていないと、あの雰囲気は出せないでしょうし、見かけだけだったらバレる。松坂くんの人間的な素晴らしさが、映画に映し出されています」

実際、松坂にインタビューなどをおこなっても、物腰が柔らかく、どんな質問であってもちゃんとくみ取って返してくれる。男女問わず、誰もが良い印象を抱く好青年だ。

「松坂くんの、そんなイメージにおけるプラスアルファはどの作品にも絶対にあると思いますし、なかでも『娼年』は顕著な例かもしれません。松坂くんの普段から爽やかな部分、丁寧な態度が、リョウという役に投影されている。というか、似ているところが多いように感じます。松坂くんの役への向き合い方と、リョウの女性への向き合い方もリンクしている。だから、嘘くさくなく、説得力が生まれました。いま松坂くんは映画やドラマに引っ張りだこですが、そんな彼が今回のようなセンセーショナルな役・作品に挑んでいることが、もっと話題になってくれたら嬉しいですね」

松坂は、2017年『彼女がその名を知らない鳥たち』で女性をうまく引っ掛けていくクズ男、2018年『不能犯』ではマインドコントロールで人を殺すダークヒーローなど、これまでとはひと味違ったキャラクターに扮し続けている。

「2015年に(『娼年』の)舞台をやるまでは、松坂くんのセクシャルな役というのはあまり見たことがなかった。でも、彼はきっとこういう役が似合うと考えていましたし、また当時の彼からも、リョウ役に対して役者としての覚悟を感じました。役が決まる前、直接会って確認したことがあるんです。『過激なことをやらなくてはいけないけど、大丈夫ですか。『娼年』に出ると、イメージが変わることになるかもしれない』と。そこは芸能界なので、事務所としても『こういうことは出来ません』となるのは当然のことですから。そうすると一言、松坂くんの口から『大丈夫です』と言ってくれたんです。きっと、役者として次のステージへ行き、また違った景色を見ようとしていたのではないでしょうか。松坂くんのタイミングと、この『娼年』がうまく合ったのだと思います。松坂くんなしでこの映画は成立しなかったので、彼の存在をじっくり堪能してください」

映画『娼年』は全国公開中。 )

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